
今回のテーマは、整理整頓です。家でも会社でも役立つ整理整頓のコツについて、他とはちょっと違う切り口でお話したいと思います。
■記事の目次
「整」という漢字には整理整頓のコツがすべて詰まっている
整理整頓の熟語には、どうして「整」の字が2回も入っているんだろう?なんて思ったこと、ありませんか?
整理整頓の本質は、おそらくこの「整」にありそうだなと感じていた私は、漢字の「整」の成り立ちを少し詳しく調べてみたことがあります。すると驚いたことに「整」という字には、整理整頓のコツがすべて詰まっていることに気がつきました。
もともと「整」という字は、「束・攵・正」の3つの文字で構成された会意形声文字です。それぞれの文字の意味と成り立ちを紐解くことで、整理整頓のコツが明らかになります。
「束」の漢字の成り立ちから分かる整理整頓のコツ1
「整」という漢字の左上にある「束」という字は、「木」と「丸い輪」からなる象形文字です。薪(たきぎ)にする木の枝をヒモでぐるりと縛った形から、束ねるという漢字ができました。
拾い集めた木材や木の枝から水分を抜くために、長期間保管して乾燥させてから使用します。軟い木は燃えやすいが火持ちが悪く、硬い木は燃えにくいが火持ちがよいため、木の種類や大きさに分けて保管したはずです。
このように束ねるという作業をする場合、用途や特徴に応じてグループ分けしてから束ねます。ここから整理整頓の第1原則「用途や特徴で分類する」という原則が見つかります。
「攵(のぶん)」の漢字の成り立ちから分かる整理整頓のコツ2
「整」という漢字の右上にある「攵(のぶん)」という字は、あまり馴染みのない字ですが、「文」の左上がカタカナの「ノ」に似ていることから「のぶん(ノ文)」といいます。
この漢字は「人が棒を持って打ちおろす」ときの形を表していて、「うつ・たたく」という意味があります。つまり、この字に込められた意味は、束ねやすいように枝払いをして、適切な長さに切り揃えるという意味になります。
これを収納の観点から考えてみると、不要なモノを取り除き、必要なモノだけ残すという作業を表しています。ここから整理整頓の第2原則「不要なものを捨てる」という原則が見つかります。
「正」の漢字の成り立ちから分かる整理整頓のコツ3
「整」という漢字の下側にある「正」という字は、「一」と「止」からなる会意文字です。「一」は目標となる目印で、その場所に着いたら立ち止まります。
イメージとしては、道路標識の停止線が分かりやすいと思います。車に乗っていて赤信号になったら、停止線の位置でピタッと止まる。これが「正」の意味になります。
これを収納に置き換えてみると「決められた場所にキチッと戻す」という意味になります。ここから整理整頓の第3原則「決められた場所に戻す」という原則が見つかります。
まとめ
「整」という漢字を構成する3つの文字「束・攵・正」の意味と成り立ちを知ることで、整理整頓に必要な3つのコツが鮮やかに見えてきましたね。
この3つのテクニックを意識して整理整頓を行えば、物で溢れていたオフィスや自宅のクローゼットも、今よりずっと綺麗に片付くハズです。
整理整頓の3つのコツ
- ① 用途や特徴で分類する(束)
- ② 不要なものを捨てる(攵)
- ③ 決められた場所に戻す(正)